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仕上げニス
2008/10/12 12:58 |
私は器用ではないので、仕上げニスを引くのも苦手で、たいてい
ムラに塗ってしまいます。
今までワニス筆で塗っていましたが、どうしても筆が重なる所が
ムラになっていました。

渡部満先生から「スポンジで塗れば均一にさっと引ける」と教え
ていただき、上手くいくか恐る恐る試してみると、簡単に均一に
引けて、同じ所をもう一度撫でた場合もムラにならず、今まで
よりゼンゼンきれいに引けました。

しかもワニス筆で塗るよりはるかに早く塗れて今までの半分以下の
時間ですむし、100円ショップで7個100円で買えるから使い捨てに
出来る(反エコロジー)ので、筆が固まらないように入念に洗う
手間も無くなり、いいことだらけ。
渡部先生が公表してかまわないとおっしゃるので、ブログに書か
せていただきました。
油彩画の技法書には出ていないこの画期的なニス引き方法を、
ぜひお試し下さい。


ついでに仕上げニスについて長々と書かせていただきたいと思い
ます。

現代では仕上げニスはあまり重視されない事が多く、全く塗ら
ない方のほうが圧倒的に多いかと思います。

それはガラスがあるので必要を感じなかったり、あまりギラギラ
した画面より、つや消しや半つや消しの画面の方が好まれたり、
完成から納品までの時間が短すぎて仕上げニスがかけられないと
いった、種々の理由によるものと思います。

私は若い頃たまたま私の絵に、青木敏郎先生がニスをかけて
下さる機会があり、自分の絵とは思えないくらい美しい絵肌に
なっていたのに驚き、仕上げニスの重要性を感じました。
(とはいえ前述のように上手くニス引き出来ないできました)

これまで沢山の古典絵画を見てきましたがが、ときどきびっくり
するくらい美しい絵肌の作品に出会う事があります。

まさに「エマイユ」(七宝)のような美しさでしたが、同じ画家の
同時期の作品がどれもそうなっているわけではありません。
それらのエマイユのような絵に共通していたのは、「修復した
ばかり」ということでした。
つまり洗って引き直した仕上げニスが絵にツヤとハリと透明感を
与え、色彩を輝かせていたのですが、修復直後の作品がすべて
そのようなびっくりするくらいエマイユのように見える訳でも
ありません。

その違いはおそらく、その絵のニス引きを担当した人の「考え」
もしくは「好み」で差があるのだと思います。

仕上げニスの成分や配合比や、どれくらいの厚さで何回塗るか
ということは、一定の共通基準があって行われていたわけでは
無いし(何かで確認した訳ではありませんがそのはず)、ニスを
引く人の腕によっても違ってくると思われます。

現在では古典画の修復もあまりギラギラに分厚く塗る事は流行ら
ないのか、ニスの厚いものは少数派のようで、控えめなものが
多いように感じます。

私は、透明感や色彩の鮮やかさが深まり、油絵の美しさが
最大限に引き出せるため、ニスは厚めに塗る方が好きなので、
ツヤ引きしてせっかくの色彩がくすんで鈍い画面になってしま
っている絵を見ると、MOTTAINAI(ワンガリ・マータイ)と思って
しまいます。


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制作過程




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