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Norman Rockwell: Behind the Camera
2009/12/21 09:48 |

ノーマン・ロックウェルが制作に使用した写真を多数集めて
完成作との比較をした画集。
写真と絵を比べてみると、なるほどここはちょっとおかしい
なという部分も分かるのですが、「この写真でここまで描け
るのか」という驚きの方が大きいです。
写真をそのまま引き写すのではなく、顔や角度も大胆に変更
していて、改めて才能や技術に圧倒されました。
写真に徹底して引きずられてしまう自分としては大いに反省。

完成作は参考程度に載せているので、特にお薦めの本とは
言えませんが、ロックウェルの作画と写真の関係がよく分
って興味深い一冊。
ピクチャ 5
ピクチャ 6


ところで私が受け持っている横浜高島屋友の会の絵画教室の
前の先生は、絵を描く時に写真を使う事は厳禁だったようで
すが、写真の使用がタブーであり、絶対悪であるという考え
の方は多くいらっしゃいます。
私も写真に多くを頼り過ぎている点は自分でも良く無いとは
思っていますが、制作に写真を使用する事自体は「間違った
事」とは思っていません。
私の場合は、モデルさんが私の描く都合に合わせて通ってい
ただく事が無理なのと、プロのモデルさんなので毎回ギャラ
をお支払いすることも出来ない(生々しい)ので、写真から描
かざるをえないわけですが、その他にも開花時期が限られ、
すぐにしおれていく花を描いたり、刻々と光がかわっていく
風景を描かれる場合等々、写真を使わなければならない場合
は多々あり、それを必ず避けなければならないと考える必要
は無いと思います。

そもそも絵を描く際に、「モチーフを前にした実写を常とす
る」という事は、古今東西の普遍的な画家の「正しいありか
た」という訳でも無く、それは絵を描く際の一方法にすぎま
せん。

日本では昔から先人の絵を元に描く事が多く、18世紀の円山
応挙が写生を重視した事の方が画期的でしたし、写真は発明
当初「画家の為の発明」と言った人もいるくらい多くの画家
に使用され、有名な所ではアングル(公には写真に対して批判
的だったものの、使った事は明らかにされてます)やドガやミ
ュシャたちも写真を活用したり、ユトリロなどは絵葉書をも
とに絵を描いたりしています。

実写のみではない名画が沢山ある以上、実写が正しく、そう
でない絵はダメな絵だ、という事は成り立たないわけで、作
品を完成させるためにあらゆる方法を駆使する事は、
あると思います。(エロ詩吟)
(もちろん他人の撮った写真を無断で使用して自作として発表
すれば、それはまた別な問題が発生しますが。)

トレースもまたしかり。
ピクチャ 3
デューラー
ピクチャ 4
ロックウェル


写真から描くと私のように平板になりがちだったり、細部の
ツメが甘くなったり、パースが写真風になったりしてしまう
ので気をつけなければいけないのですが、写真を使ってもそ
うならない人もいますので、写真使用を一概に否定してしま
うのは正しく無いと思っています。
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