Top | RSS | Admin

2017.07 « 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 » 2017.09


ブグロー模写やってみた 制作 6日目
2013/04/14 18:04 |
6日目(最終日)は顔と髪にちょっとだけ手を入れました。

⬇5日目のこれに

18874577.png


⬇眉とまつ毛を少し手直しし、目にウルトラマリンのグレーズをかけ(画像で見るとプルシアンブルーぽいのですが、私の絵具箱にはこの色が無い)
2554123.png


⬇白+黒+バーントアンバーで髪の毛のハイライト描き終了。
3589647.png

578922.png

811254.png


反省点

・冒頭書いた様に顔がぜんぜん似てないけど、どこがそんなに違うのかが分からない...
と言うとゴーマンに聞こえますが、観察力が低いために、細かい所は分かっても、どこがこれほどまるっきり違わせているのかがよく分からないです。
形や色ももちろんですが、ブグロー先生の格調の高さに比べると薄っぺらいし安っぽい。やはり巨匠は違いますなあ。

・たとえば⬇この顎の明部はタッチがグイッと入っていますが、
996655.png


私にはとてもこんなに的確にタッチを入れられません。
⬇こんなかんじになってしまい、メリハリが無く単調になってしまいます。
yyty33.png



・今までの画像は蛍光灯下で撮影したもので、どちらかというと⬇この自然光で撮ったものの方が実際の色に近いのですが、原作の画像とはかなり色が違ってしまいました。
11446655.png

元のこの⬇画像
11555631.png

はちょっと黄色味が強すぎるんじゃないかと思ってここまで黄色っぽくしなかったのですが(他のブグローの画像ではここまで黄色っぽくないものもあるし)、国立西洋美術館にある少女の絵もちょっと黄色がかっているので、これは今度ブグローの絵を見る機会にもっとよく観察しなければと思いました。

・アングルは肌をムラなくスベスベに描くのに比べて、ブグローはいいかんじのムラを残していて、それがけっこう好きなのですが、今回の模写ではちょっとムラを残し過ぎました。
あまり筆で撫でてぼかし過ぎると下品でいやらしいかんじになりがちですが、そのへんブグローやアングルは加減が絶妙であることをあらためて感じました。 

・書きました様に髪とレースは即興的に描いてあって追いにくく、髪がモコモコにになってしまったのが非常に残念。

・私の模写は全体的に硬くて、ブグローの肌の柔らかさの上手さもさすが。
私の絵が人形の様な顔なのに対して、ブグロー先生の絵は表情が生き生きしていて豊か。

などなど反省は多いのですが、模写は今回やってみてとても面白かったし有意義でした。

10代から20代前半のころやっていた模写は、色がかけ離れているしディテールがぼんやりした写真からやっていたので分からなかった事が多かったし、その後自作の絵を数こなしてきたせいで当時よりは理解が深まった目で観察しながら模写すると、色々分かる事(たとえばプリマで全部一気に描き上げるつもりで描いているのではなく、けっこう後から部分的にコチョコチョ筆を加えていたりするのが分かったし、その方が作業的にも見た目にも良いとか)が沢山ありました。


また、昔の画家が豚毛の筆をよく使っている事は、昔の絵にも描いてあるし豚毛で描いたとしか思えないタッチがあるので分かってはいましたが、どうも豚毛は上手く使いこなせなくて、昔の豚の毛質が今とは少し違うんじゃないかと思ったりしていましたが、最近悟りを開いた様にこれが使える様になり(自在にとは言いませんが)、今回の模写も7割くらいは豚毛で描きました。

普段はもっと小さいサイズを描いているので、そういう場合はマングースとかセーブルとか中心になりますが、顔がこれくらいのサイズだと、むしろ豚毛筆じゃないと描きづらいと思えるぐらいになり、せっかく豚毛で描く事に目覚めたので(遅い)大きめの絵を少し描いてみたくなり、今後はミニチュアばかり描きたいと思っている気持ちがちょっとゆらいでいます。

とはいえその前にもっと模写をしておきたいのですが、今回の様な良い画像はやはりそんなには落ちてないので、画集がデジタル高画質で出されるのが普通になる時代に早くなってほしいものです。

ところで同業者さんから、私の「グリザイユ・カマイユに対する認識と、ご自身の下層描きで暗部にアンバーのっける工程とどう違うのかイマイチわかんないのですが、どう区別されてるんですか?」とのお言葉いただきましたので、も一度説明させていただきます。

ブグロー模写やってみた 前説 その2(http://paintingsfuruyoshi.blog56.fc2.com/blog-entry-325.html)に
「私の白+バーントアンバーの粗描きは、「褐色と白で丁寧に描いたモデリングに透明色をグレーズして仕上げるいわゆるカマイユ」ではなく、トレース線を油絵の具に置き換えて輪郭と影の位置を描く事と、色の深みを出す事と、絵具層の厚みを出す事が目的の、上に不透明に上層描きする事を前提にしたざっく りした下塗りで、白+バーントアンバーのこのような下層描きのやり方は、古典作品ではそんなに作例は多く無いと思います。「古典技法」ではなく、あくまでも「古典的な方法」であって、青木敏郎先生の方法の自分なりの変型です。(「洋画を学ぶ」P104〜「静物ー青木敏郎」参照)」
と、書きました。

現代においてグリザイユ技法とかカマイユ技法と呼称されているものが、よく古典技法の中心的技法であると誤認されているわけですが、その誤解している人たちが「カマイユ技法」と呼んでいる方法は、白と褐色だけでモデリングを行い、そこに固有色を透明にグレーズすることで仕上げるという方法で、モデリングと着色が別個に行われるものとなっています。(グリザイユ技法は主に白と黒にグレーズ)

いわゆる「カマイユ技法」が、モデリングは下層描きであるカマイユで行われて、その上のグレーズ層がカマイユの階調を透かせる事で成立するために、カマイユは丁寧に微妙な階調や細部を描いておくのに対して、私がざっくりとした褐色の下層描きにするのは、上に不透明ないし半透明に固有色を重ねるので、下層に微妙な階調や細部を丁寧に描いても意味が無いためで、いわゆる「カマイユ技法」とはまったく違う方法です。 

私がなぜ褐色下層描きをしているかという理由は、いきなり真っ白かフラットに着色した地に描くのは不可能な事ではないけれども、不透明に塗っても所々わずかに下層が透けてしまうので色や明暗に深みが出にくいし(かなり暗い地にすれば別ですが)、トレース線を上に露出しないようにするのも厄介ですし、一層描きだと絵具層が薄い所は貧弱に見えてしまうので、ざっと褐色と白で塗っています。(ミニチュアの場合は一層でも大丈夫なのでやっていませんが)
昔の画家達はフラットに着色した地か、しばしば真っ白な地に下層描き無しでいきなり描いている例が多いのですが、私とは違ってトレース線に頼らない確かなデッサン力(といっても子細に見るとデッサンのおかしい絵はいくらでもありますが)と、絵具の置き方の上手さでカバーしてるので、私の方法はあくまでも私に合わせて行っている方法としてご理解下さい。
スポンサーサイト
___________________________
制作過程




| TOP |