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3つの展覧会
2014/05/12 10:46 |
新作は今こんなかんじです。
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この絵をロンドンのクリスティーズに送る期限が5月下旬にせまっていてギリギリなので、先日日本橋三越の青木敏郎先生の個展にうかがった際、ついでに三菱一号館美術館の「ザ・ビューティフル・ 英国の唯美主義」展http://mimt.jp/beautiful/と、三井記念美術館の「超絶技巧!明治工芸の粋」展http://www.mitsui-museum.jp/exhibition/index.htmlも見て来ました。

「ザ・ビューティフル・ 英国の唯美主義」は今は終わってしまいましたが、レイトンのこの絵⬇はよかったすねー。
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フレデリック・サンズのこれ⬇も良かったですが、
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アルマ=タデマの絵は小品なのに、インテリアの一部の様な展示の仕方で、離れた所からしか見られず非常に残念。
油彩画作品ばかりではないので、個人的な感想としては物足りない展覧会でした。

「超絶技巧!明治工芸の粋」の方は、主に輸出用に作られた技巧の粋を極めた工芸品のコレクションで、私の最近の小さな絵をすごいとほめていただける事が多いのですが、これらの作品に比べたら未熟だし雑だしで足元も及ばないモノばかり。
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今回の展覧会には、個人的には格別好きな作品は無かったのですが、自分もヨーロッパに自作を送って評価を問う立場になっているので、先駆者たちの偉業に頭が下がりつつテンション上がりました。

実家は骨董屋のため、明治の精緻な工芸品は子供の頃から大好きで、高校生の頃も柴田是真や海野勝岷・加納夏雄とかの本を買って、作ってみたいと妄想していましたが、当時こういうものは骨董界は高く評価していたものの、美術界としてはインテリぶった連中が「技巧=悪」みたいなくだらない決めつけをしていて、まともにとりあげられてこなかったので、ようやく最近見直されて大きく扱われる様になったのはうれしいことです。

たしかにあまりにもスキなく細かく完璧に仕上げたり、絵画だと写真そっくりに描いてしまったりすると、ややもすると味わいの無い作品になりがちですが、当然ながら技巧=悪といった単純な物差しですべてをはかるのは「悪」です。

近年こういった超絶技巧の作品や写真の様な絵が人気になっているのを、時代逆行のアナクロなものと捉える人たちもいますが、今はなんでも機械で精巧に作られる時代なので、逆に「人の手で作られた」ということに大きな価値を感じる人が増えているという、時代の反映なのかもしれません。

この日見た3つの展覧会の作品に共通していたのは(方向はそれぞれ違いますが)作品を通じて何かメッセージを主張する事よりも、作品そのものの美しさを重視するということでした。

芸術作品のテーマは重ければ重いほど高級、重いテーマを持たない絵は絵ではない、みたいな決めつけは戦後の美術界を席巻していた考え方ですが、これまた単純でバカげた物差しであるし、21世紀の今ではいかにも古くさいものに私には思えます。

青木先生が「油絵のメディアとしての役割は終わった」とおっしゃっている様に、今どき油絵で重いメッセージを伝えるなどという考えそのものがアナクロで、作品自体の美しさよりメッセージの方が大事だと本気で思っているのなら、世の中への発信力がほとんど無くなったし意味も十分に伝わりにくい油絵なんかを描くよりも、もっと他にメッセージを広めるメディアが今はいくらでもあるので、なぜそっちを使わないのかと思ってしまいます。 

青木先生の作品は深刻ぶったテーマは絵に盛り込まれていませんが、油絵でしか作れないタッチやマチエールの妙技、写真の様な再現は全く意図していない色彩の表現のセンス等々によって、「ここをこう描くのか〜」「ここをこういう色で描くか〜」というように楽しめて、見ていて飽きません。

油絵は油絵でしか表現出来ない固有の美を追求する方向でなければ、油絵の写実画は存在の意義が問われるばかりではないかと思うのですが、おまえはどうなのかと問われると、古典絵画のようなインパスト(絵具の盛り上げ)や色使いを目指して来たものの、 ぜんぜん出来てません。やはり青木先生は偉大です。


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日々雑感




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