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キャンヴァス
2008/02/10 19:24 |
絵については知らない事や分からない事だらけの私ですが(謙虚)
長年分からなかった事の一つに、時々見る欧米の画家の制作場面
で、ユルユルに張ったキャンバスに描いている画家が多いのは
何故なのか?という謎がありました。

日本人の様に最初からちゃんと張れば描き易いし、張り直しの際
画面が歪むリスクも避けられるのに、何のメリットがあるのか
分かりません。

ゆるい方が意外と描き易いのか、あるいはキャンバスとは描い
てる途中ゆるむもの (クレサンがしっかり張ってもゆるんで
くるので、そういうものかと思いましたが、これは三嶋画伯に
よると乾燥した日に張るべき物らしい) なのでそうしている
のか、昨日三嶋画伯に電話のついでに聞いてみましたが、
分からないと仰るので、アメリカに留学してた生徒さんに
今度聞いてみて下さいと頼みました。

すると今日たまたま小林聡一画伯と構図の事でメールの
やり取りをしていて、偶然小林画伯が以下の様なことを書いて
くれました。
(小林画伯はフィレンツェに留学して学ばれました)

「・・・・イタリアでは(学校によりますが)キャンバスもしくは
デッサン紙などあらかじめ大きなものを用意し、それに描いて
仕上げてから、どこで切るか考えてから木枠に張るというのが常
でした。
(キャンバスはパネルにテープで張って描く形です。)
木枠は日本のように規定サイズはありませんから、バラに売られて
いる木枠を自分でつけて後からサイズを決めるのが一般的。

もちろん張りキャンから描く方もいましたが、
ほとんどが、張る前に描いてました。
額も既製品はなくすべて特注ですからサイズを決める
必要も無いということなんでしょう。云々」

なるほど納得。

もちろん欧米のどの画家もいつもそうしているという訳でも無い
とは思いますが、さすが合理的。

そういえば私も絵画教室で水彩や色鉛筆の指導の際、バランスが
悪いと「紙だから後で切ればいいです。」と言ってました。

自分が描きたい絵のサイズと、近代に大量生産に便利な様に決め
られたにすぎない規格サイズとが合致する事は当然少ないので、
私は変寸をよく作りますが、やはり描いている途中で大きく
したり小さくしたりしたくなることはしばしばあります。
縮めることは容易ですが、大きくする事は無理なので、妥協
せざるをえません。

このような方法が欧米では一般的だということを、圧倒的に
規格サイズ派(しかもほとんどがFサイズ)が多い日本の画家は、
知っておくべきではないかと思いました。(何様?)
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制作過程




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